バリキャリ課長の年上彼女は、一途な彼に翻弄される
「それは失礼しました。二海堂です。宜しくお願いします」
「二海堂くん、明明後日の土曜日にはニューヨークに帰るらしい。それで帰る前にうちに寄ってくれたんだ。まぁここでは何だし、営業部に戻ろうか」
「吉本さん、私と景山くんで会議室片付けますので。後から顔出します」
「あぁ、そうさせてもらうよ。二海堂くん、赤星くん、行こうか」

拓真が何か言いたそうだったけど、2人について会議室を出ていった。
「緑川さん、二海堂さん、何のために来たんでしょうか」
「さぁ、帰国したついででしょ。でも、変わってないなぁ」
「それだけならいいですけど・・・」
「景山くん、早く片付けよう。衛の話聞きたいから」

衛に、課長として成長した姿も伝えたい。
私は景山くんの心配を気に留めず、片付けを急いだ。

営業部に行くと、衛が皆に囲まれて大騒ぎになっていた。
「吉本さん、大変なことになっていますね」
「そら、皆一目置く存在だったからね。緑川さんもだけどね」
「私なんて衛に比べれば、まだまだですよ」
「そうだ、二海堂くんが今の仕事でCEOになったらしくてね。今後の事業展開で日本に視察で来たらしいよ。そのことで今から話をするんだけど、緑川さんにも入って欲しいって。時間ある?」
「大丈夫ですよ」
「二海堂くん!緑川さんも大丈夫だから、応接室で待ってるよ」
「今すぐ行きます!」
私と吉本さんは先に応接室に入って行った。
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