バリキャリ課長の年上彼女は、一途な彼に翻弄される
「そうでしたか。あんな人がいないとも限らないですしね。たまたま社内なので何とか防げましたが、知らない人ならどうしようも止められないですし」
「そこで相談だけど、誰か信頼できる人いないかな。緑川くんや赤星くんの知り合いなら、信頼できると思ってね」

知り合いか・・・拓真に聞いてみよう。
あれ、ちょっと待って。
いるじゃない。私が信頼できる人物が。

「あの、うちの景山くんどうでしょうか。彼なら絶対的な信頼があります。彼女もいないそうですし」
「あぁ、景山くんか。思いもつかなかった。確かに彼なら」
社長と私とで話がまとまり、景山くんに話すことになった。

営業部に行き、拓真に話をする。
「・・・てなわけで、今日、帰りご飯食べながら景山くんと話しするから、一真迎えに行って、ごはん食べさせてくれる?」
「嫌だ」
「・・・何言ってるの?いつもなら任せろって言ってくれるのに」
「嫌だ」
「もー、やきもち妬かないで。景山くんでしょ?」
「わかってるよ。じゃあ、家に来てもらえば?」
「あっ、そうねぇ、そうするわ。拓真も早く帰って来てね」
「了解!よしっ!仕事済ませるよ」
拓真は張り切って席に戻っていった。
一真にも景山くんにもやきもちって、ほんとに拓真は変わらないわ。

「お邪魔します」
景山くんはきょろきょろと見渡す。
「緑川さん、主婦ちゃんとしてるんですね」
「あなたは私を何だと思ってるのよ」
「景山くん、いらっしゃい」
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