バリキャリ課長の年上彼女は、一途な彼に翻弄される
「じゃあ、一真はママと保育園行こうね」
準備をして一真を自転車の前に乗せ、保育園に送った後、仕事へと向かった。

「おはようございます」
「おはようございます。緑川さん」
会社では旧姓で呼ぶ人の方が多い。
私もママから気持ちが切り替わる気がする。
「すっかりママさんですね。でも、緑川さんが一真くんと自転車乗る姿・・・想像したくありませんね」
「想像しなくていいわよ。景山くんも家庭持てば変わるから」
「僕がですか・・・まずは彼女からなので、想像つきませんよ」

こんなに真面目で顔も整っているし、私以外には優しく、彼女くらいできそうなのに。
「景山くん、昔、散々女の子フッたとか・・・」
「緑川さんと一緒にしないでください」

その時、内線が入った。社長からだ。
「緑川です」
「緑川くん、来たばかりで申し訳ないが、社長室まで来てくれるかな」
「分りました。直ぐに行きます」

なんだろう。深刻そうだったけど。
「すまないね。こんなことばかり、緑川くんに相談して悪いんだが、事情を知っている人がいなくてね」
きっと青羽さんのことだ。
「藤井くんと別れてから、今まで好きになった人はいたみたいだ。でも長続きしない。理由を聞いて見ると、やはり藤井くんのことで、男性不信のようでね。またいつか裏切られるかもしれないと・・・」
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