絶体絶命の聖女候補、幼女薬師になってもふもふと聖騎士団をお助けします!
◆ ◆ ◆
アメイリの森に入って早半日。俺の忍耐はそろそろ限界を迎えつつあった。
「ねえ、全然いないじゃない。わたくし、こんな不気味なところは早く去りたいのだから、もっとしっかり探してちょうだい」
おおよそ森の中を歩くとは思えないひらひらの衣装で現れた聖女──ルイーナは、出発直後からずっと文句を言いっぱなしだ。今も、近くにいる俺の部下のひとりに、なぜ聖獣と魔獣がいないのかと文句を言っていた。さらに、先ほどはヴィラム殿下にセローナ地区には大した観光地もなさそうだからさっさと王都に帰りたいと愚痴を零していた。
聖獣は非常に希少な存在で、ここセローナ地区の聖騎士団の団員ですら滅多に見かけることはない。
探しに行きましょうと言ってアメイリの森に来たからと言って、すぐに見つかる存在ではないのだ。
「らちが明かないな。少人数に分かれよう」
俺は部下達を一旦集合させる。
「団員は二名ずつペアを組め。この後は、ふたり行動とする。魔獣を発見した場合は手出しせずに通信機で応援を呼ぶように」
「はいっ」
団員達は返事をすると、一斉に散らばった。
「ヴィラム殿下、大丈夫ですか?」
ヴィラム殿下およびルイーナと行動することになった俺は、後ろを歩くヴィラム殿下に問いかける。ヴィラム殿下は「問題ない」とこくりと頷いた。
アメイリの森に入って早半日。俺の忍耐はそろそろ限界を迎えつつあった。
「ねえ、全然いないじゃない。わたくし、こんな不気味なところは早く去りたいのだから、もっとしっかり探してちょうだい」
おおよそ森の中を歩くとは思えないひらひらの衣装で現れた聖女──ルイーナは、出発直後からずっと文句を言いっぱなしだ。今も、近くにいる俺の部下のひとりに、なぜ聖獣と魔獣がいないのかと文句を言っていた。さらに、先ほどはヴィラム殿下にセローナ地区には大した観光地もなさそうだからさっさと王都に帰りたいと愚痴を零していた。
聖獣は非常に希少な存在で、ここセローナ地区の聖騎士団の団員ですら滅多に見かけることはない。
探しに行きましょうと言ってアメイリの森に来たからと言って、すぐに見つかる存在ではないのだ。
「らちが明かないな。少人数に分かれよう」
俺は部下達を一旦集合させる。
「団員は二名ずつペアを組め。この後は、ふたり行動とする。魔獣を発見した場合は手出しせずに通信機で応援を呼ぶように」
「はいっ」
団員達は返事をすると、一斉に散らばった。
「ヴィラム殿下、大丈夫ですか?」
ヴィラム殿下およびルイーナと行動することになった俺は、後ろを歩くヴィラム殿下に問いかける。ヴィラム殿下は「問題ない」とこくりと頷いた。