海と空の狭間で……
「ちょっと待っていてね!」


空に聞こえる訳も無いくらい、小さな声でそう呟くと音を立てないように玄関に向かう。


空に会いたい。


お兄ちゃんに気付かれませんように__


目的の場所に辿り着いたら、スリッパを履いて玄関のドアに手を掛けた。


ドキドキ、ドキ。


此処でバレたら空に会えなくなってしまう。


出来るだけ音を立てないように、ゆっくりとドアを開け閉めした。


無事に外に出ると、空の居た方向に向かう。



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