色づいて、濁り、落ちていく
「可愛い」
「へ?」
「美冬が可愛い。また胸が痛くなってきた。
なんなの?これ」
「……氷河さん」
「何?」
「もしかしてそれは病気ではなく、恋をしてる故のドキドキではないですか?」
「ん?どうゆうこと?」
「えーと、恋をすると胸がドキドキして張り裂けそうになりますよ。
相手のことを思うと、胸が苦しくなって、会いたくなって、離れたくなくて、触れ合っていたくなる。
今氷河さんが私のこと“可愛い”って言ってくれましたよね?」
「うん」
「自分で言うのもなんですが、私のことを好きな気持ちが募っていってるからではないでしょうか」
美冬が自身の胸に手を当てながら、ゆっくり語った。

「……そうか。
今美冬が言った気持ちだ!ドキドキして胸が苦しい。美冬とずっと一緒にいたい」
「氷河さんは、とても純粋ですね。
恋を知らない、小さな子どもみたいで可愛い」
「可愛い?僕、可愛いの?」
「はい、可愛いです。年上の方にこんなこと、失礼ですが…」
「ううん。美冬ならいいよ!
許してあげる。美冬は僕に意見していいよ。
お願いもできる限り叶えてあげる。
なんだか、何でもしてあげたい。
だから、もっと教えて?
どうすれば、美冬と恋人同士になれるのか。
一日でも早く恋人同士になりたい」
「もっと、氷河さんのこと知りたいです。
氷河さんにも私のことを知ってもらいたいです。
もしかしたら、氷河さんが私を嫌いになることがあるかもしれないですよ?」

「そんなのことあるの?」
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