平凡な私の獣騎士団もふもふライフ4
片手でも合図され、カルロが一気に飛行速度を落とした。

がくんっと急激な減速を感じたリズは、コーマックたちも慌ててそれにならった原因に気づいて、驚いた。

「――『なんだ』と言っていたが、これが〝魔法〟さ。常識だろう?」

いつの間に移動したのか、目の前に箒で浮かぶ魔女の姿があってギョッとする。

「まぁ、普通なら無垢な子供の目にしか映らないんだけどね。これだけ強い大魔法だ。この世に具現化して、見ちまうのさ」

そんな常識、知らない。

コーマックが警戒して、帯刀している剣の柄に手をかけた。獣騎士たちも、いつでも動けるよう臨戦態勢を整える。

「ふふ、獣騎士団長とあろうものが、剣をさげていないとはね」

「――ナメるなよ。元獣戦士軍をまとめるグレインベルトの領主として、仕込み刀くらいは用意してある」

前に乗せたリズを魔女から引き離すように、ジェドが片腕でもっと自分の方へ引き寄せて睨み付ける。

すると魔女が、目が眇めた。

「あたしがこうやって来たのも、あんたらとは話しをつけないといけないと思ったからだよ。そこの娘が、自分から結婚も諦めてくれれば早かったんだが」

「あ?」

ジェドが険悪な声を上げた。彼のまとう雰囲気が凍え、コーマックたちの緊張感が一気に増す。

リズは魔女の言葉にドキリとして、彼の腕の中で身を竦めてしまった。

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