平凡な私の獣騎士団もふもふライフ4
でも……どうしてか、手を伸ばすのに躊躇いを覚えた。

「不思議な造花ですね。よくできている、と言いますか」

感心した様子で造花を眺めていたコーマックが、ふと気づいてリズを見た。

「リズさん? どうかしましたか? 欲しいのなら、一つ買ってもいいと思いますよ」

「いえ、欲しくないです」

リズは首を振り、考えるよりも先に口にしていた。

「珍しいですね。リズさんがキッパリ言うのも」

「え? あ、確かにそうですね……その、なんか、変な感じがしません?」

つい確認してしまった。

「いえ? 綺麗な造花だな、と」

コーマックが首を傾げる。よく見てみようと思ったのか、青い薔薇に触ろうとした彼の手を、次の瞬間シモンがガシリと掴んで止めた。

あまりにも強い力だったのか、コーマックが驚いたように見つめ返す。

「俺も、それ、なんかヤだ」

シモンが鼻に皺を寄せ、『触らないで』と首を振って追って伝える。

何か思うところがあったのか、コーマックが少し考えて手から力を抜いた。

「分かりました。触りません」

注意するでもなくそう約束すると、シモンに手を離させて店主へと向き直った。

「すみません、先程人気であるとおっしゃっていましたが、僕らが数日前に通った時は見かけなかったように思います」

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