平凡な私の獣騎士団もふもふライフ4
カルロは獣なので、人間の事情はよく分からない。発情、という言い方は違ったのか……と彼は自分の口に大きなもふもふの手をあてて悩み込んだ。
◆§◆§◆
なんで逃げ出してしまったんだろう。
仕事ではない今の環境で『いってらっしゃい』と彼に言うのが、新婚さんか同棲中みたいで密かな楽しみにもなっていたというのに。
リズは逃げ込んだ薔薇園の中、うずくまり、熱くなった顔を足に押し当てて猛烈に反省する。可愛げがないと思われたかしら?
「あ、やっぱりこっちにいた」
ふと、そんな声が聞こえて顔を上げた。そこには、軍服のジャケットを脱いで袖をまくっているシモンがいた。
「シモン君? トナーさんたちに相棒獣の世話を教えてもらっていたんじゃ……?」
「うん、そうなんだけどさ。いきなり『けだものーっ』て聞こえてきたから、なんだろうって思っちゃった」
「えぇ! そ、そんなに響き渡ってたっ?」
「執事のサムソンさんだっけ? 持っていた盆を落としそうになってた」
それを目撃したというシモンが、思い出してケラケラ笑う。
リズはまたしても恥ずかしくなってしまった。ジェドの母のアリスティアから、淑女とは大きな声を出さないもの、と聞いたばかりなのに。
「先輩たちに聞いたよ。派手に逃げたんだってね」
◆§◆§◆
なんで逃げ出してしまったんだろう。
仕事ではない今の環境で『いってらっしゃい』と彼に言うのが、新婚さんか同棲中みたいで密かな楽しみにもなっていたというのに。
リズは逃げ込んだ薔薇園の中、うずくまり、熱くなった顔を足に押し当てて猛烈に反省する。可愛げがないと思われたかしら?
「あ、やっぱりこっちにいた」
ふと、そんな声が聞こえて顔を上げた。そこには、軍服のジャケットを脱いで袖をまくっているシモンがいた。
「シモン君? トナーさんたちに相棒獣の世話を教えてもらっていたんじゃ……?」
「うん、そうなんだけどさ。いきなり『けだものーっ』て聞こえてきたから、なんだろうって思っちゃった」
「えぇ! そ、そんなに響き渡ってたっ?」
「執事のサムソンさんだっけ? 持っていた盆を落としそうになってた」
それを目撃したというシモンが、思い出してケラケラ笑う。
リズはまたしても恥ずかしくなってしまった。ジェドの母のアリスティアから、淑女とは大きな声を出さないもの、と聞いたばかりなのに。
「先輩たちに聞いたよ。派手に逃げたんだってね」