平凡な私の獣騎士団もふもふライフ4
でも、災いとは一体なんだろう。
リズとしては、災いと呼ぶほどのことを起こす『怨み』というのが腑に落ちない。
「怨んでいる感じはしなかったけど……」
本物の魔女を前にした時、怖い、とは思った。でもそれは、いきなり鏡の中に現われれたことも理由にある。
話していた時の印象としては、謎めいた人、というものだ。
本物の恨みについては、最近触れて知っている。先日にあった亡霊との一件で覚えたような、荒れ狂う怨念の恐怖は覚えなかった。
開いた書物の、魔女とされている仰々しい挿絵をぼうっと見つめていた。
と、不意に挿絵の〝魔女〟が動いた。
「え!?」
次の瞬間、イラストの顔がこちらを向いてギョッとする。
手を離そうとしたが、遅かった。
「お嬢ちゃん、絵越しにでも『魔女なんて見つめてはだめだ』って、古い迷信を親に教わらなかっのかい?」
くすくすと妖艶な女性の声が聞こえた次の瞬間、リズは光に呑み込まれた。
それは白獣の女王の〝招待〟を受けた時によく似ていた。眩い光の洪水に呑まれて息ができない。
けれど、すぐに厚い水の層でも抜けたみたいな感触がした。
気づいたら、立っている場所の風景だけが変わっていた。
「こ、……ここ、どこ?」
緑の木々のさざめきと、そこから見える青い空と、少し低い位置に見える美しい街並みに呆然とする。
リズとしては、災いと呼ぶほどのことを起こす『怨み』というのが腑に落ちない。
「怨んでいる感じはしなかったけど……」
本物の魔女を前にした時、怖い、とは思った。でもそれは、いきなり鏡の中に現われれたことも理由にある。
話していた時の印象としては、謎めいた人、というものだ。
本物の恨みについては、最近触れて知っている。先日にあった亡霊との一件で覚えたような、荒れ狂う怨念の恐怖は覚えなかった。
開いた書物の、魔女とされている仰々しい挿絵をぼうっと見つめていた。
と、不意に挿絵の〝魔女〟が動いた。
「え!?」
次の瞬間、イラストの顔がこちらを向いてギョッとする。
手を離そうとしたが、遅かった。
「お嬢ちゃん、絵越しにでも『魔女なんて見つめてはだめだ』って、古い迷信を親に教わらなかっのかい?」
くすくすと妖艶な女性の声が聞こえた次の瞬間、リズは光に呑み込まれた。
それは白獣の女王の〝招待〟を受けた時によく似ていた。眩い光の洪水に呑まれて息ができない。
けれど、すぐに厚い水の層でも抜けたみたいな感触がした。
気づいたら、立っている場所の風景だけが変わっていた。
「こ、……ここ、どこ?」
緑の木々のさざめきと、そこから見える青い空と、少し低い位置に見える美しい街並みに呆然とする。