冷徹御曹司の最愛を宿す~懐妊秘書は独占本能に絡めとられて~
「私、その……下手だったらごめんなさい……その、初めてなもので」
「下手も何も、お前に主導権はない」
「ひゃっ……!」
言いながら澪の首元に噛みつく。それと並行してブラウスに手をかけると、一つずつボタンを外していった。心臓が壊れたみたいに早鐘を打っている。
「安心しろ。優しくする」
声にならずただコクコクと頷く。これからどうなってしまうのだろう。怖い。でも、匠馬となら後悔しない気がする。何もかも忘れてリセットしよう。
「澪」
少し湿った髪に指を差し入れると、優しいキスが降る。どうするのが正しいのかすらわからない澪は、ただその行為を黙って受け入れる。ぬるっとした舌が入ってくると、びくっと体が震えた。
「しゃ、社長」
「社長はやめろ。今から俺とお前はただの男と女だ」
「た……匠馬、さん?」
「良い子だ」
匠馬は柔らかく微笑むと、緊張で体を強張らせる澪の髪を優しく撫でた。
「何もかも忘れろ」
匠馬の温かな唇が、澪の全身を這う。口付けられる度、澪の白い肌が桜色に染まり、潤いをもたらした。
「あっ……たく、まさんっ」
「澪、綺麗だ」
匠馬の大きな手の中で、澪のやわらかな胸が形を変える。それだけでぞくぞくして、何も考えられなくなる。
「怖がるな。俺だけを見てろ」
「はい」
大人の雰囲気が色濃くなった静かな部屋には、ベッドの軋む音が響いている。雨はいつの間にか雪に変わっていて、チラチラと白い粉が舞っていた。
寝室から二人の溶けあう声が聞こえてきたのは、それから数十分後のことだった——。