冷徹弁護士の独占欲にママとベビーは抗えない【極上悪魔なスパダリシリーズ】

褒めてもらえてるのよね、これ。


「あ、ありがとうございます。でもまったくお支払いしないのは申し訳なくて。八木沢さんがいなければ泣き寝入りでしたから」


そう言うと、彼は考えだした。


「それじゃ、ひと部屋、仕事を請け負ってくれ」

「インテリアコーディネートをするんですか?」

「そう。俺、そういうことに無頓着で、必要最低限の家具しかないんだよね。で、散らかってる。掃除も含めてよろしく」


八木沢さんの部屋の?


「掃除は得意ですし、インテリアコーディネートさせていただけるなんて、すごくうれしい」


職場を去り、経験を積む場所がなくなってしまった今、こうした依頼はありがたい。


「そう? それじゃ、土曜にここに来い。俺しか住んでないから」


彼は名刺の裏にすらすらと住所を記入する。


「はい、承知しました」
「じゃ、帰るか」


彼は少しネクタイを緩めてから、エンジンをかけた。
< 116 / 342 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop