冷徹弁護士の独占欲にママとベビーは抗えない【極上悪魔なスパダリシリーズ】
彼が迎えに来てくれてからすでに三時間が経過している。
ということは十五万だ。
示談金より高い。


「赤字だな。そんなに払いたいなら払わせてやるけど、大丈夫なのか?」


したり顔で言われて、思いきり眉間にしわが寄る。
すると彼に鼻で笑われた。


「新見さんって、借金の趣味でもあるの?」

「ないですよ、そんなの」


借金が趣味な人なんて、とこにいるのよ。


「それじゃ、俺のご厚意をありがたくちょうだいしとけ。新見さんの後輩を守ろうとする心意気に免じて、今回は特別だ」


彼の言い方にはいちいち引っかかるけれど、その内容は優しい。


「普通、かばうにしても自分に火の粉が降りかからない程度だぞ。最近は内部通報の制度もあるけど、それもなかなかできる人はいない。それが原因で左遷されても、別の理由をつけられたら終わりだ。新見さんのやり方は下手すぎたが、弁護士としてはよくやったと思ってる」
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