冷徹弁護士の独占欲にママとベビーは抗えない【極上悪魔なスパダリシリーズ】
彼が帰宅したのは二十時半過ぎ。

遅くなるという連絡がなかったので心配していた私は、チャイムと同時に玄関に駆けだしていき、出迎えた。


「おかえりなさい」
「遅くなってごめん」


あれっ、元気がないような。

彼は表情をなくした顔で、雨に濡れた革靴を脱いでスタスタと中に入っていく。

妙に重い雰囲気だったせいで、妊娠を言いそびれてしまった。

私はランドリールームの棚からタオルを取り出して、彼のあとを追った。


「すごい雨でしたね。これで拭いてください」
「サンキュ」


ネクタイを外した彼はタオルを受け取ったが、やはり声のトーンが低い。

仕事でなにかあったのだろうか。


「飯の前にシャワー浴びてくる」
「はい」


笑顔で返事をしたものの、一度も視線を合わせてくれないのが気になった。


いつ妊娠を切り出そうかとそわそわしながら、キッチンで夕食を温め始める。

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