【完】華道家の若旦那は、ウブな彼女を離したくない。
車が出発し景色がビルばかりになっていく中、歴史がありそうな邸宅の中に入っていく。
車を千賀さんは駐車させるとまた助手席のドアを開けて、私をエスコートをし邸宅に入る。すると、入り口にいた着物を着た綺麗な女性が近寄ってきてニコッと微笑んだ。
「いらっしゃいませ、千賀様。お席をご用意させていただいてます。ご案内します」
高そうな場所……住む世界が違いすぎる。
「ああ」
「ではこちらです」
仲居さんの後を千賀さんとついて行き、【胡蝶蘭の間】と書かれた部屋に入る。
「千賀様、お飲み物はどうされますか?」
「僕は……烏龍茶で。小妻さんは何がいいですか? アルコールは飲めますか?」
「え、あ……飲めますけど、私も烏龍茶で」
千賀さんが烏龍茶を飲むのにお酒は飲めない。
「じゃあ、私もお酒を頂こうかな。生ビール二つよろしくお願いします」
「はい、かしこまりました」
仲居さんがそう言って出ていくと私は、千賀さんを見つめる。