【完】華道家の若旦那は、ウブな彼女を離したくない。


「何の花が必要なんですか?」

「……赤と白のダリヤ、ピンポンマムが必要なんですが」

「ダリヤの赤白、ピンポンマムですね。周辺の花屋に聞いてみますのでお待ちくださいっ」


 私は、一応持っていた花屋のリストを取り出すと片っ端から電話をかけた。


「――はい、本当ですか!? わかりました。すぐに行くので取っておいてもらえますか?」

「いいですよ、お待ちしてますね」


 私は二件の花屋にダリヤとピンポンマムを取り置きしてもらい、千賀さんにそれを伝えた。


「私、受け取りに行ってきます。六時には間に合わせますので」


 私は、会場の外に出るとタクシーを捕まえて花屋に向かった。一件目ではダリヤを、二件目ではピンポンマムを受け取り会計をしてから急いで会場へ戻った。



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