溺愛ウエディング~最後の夜に授かった赤ちゃんは社長の子、もう二度離さない~
妻の衝撃の告白

~加那斗side~

俺は七海と奏多を父に会わせた。

五年前とは違い、父も年を取った。
俺を激昂して怒っていた父はもう居ない。

「お爺ちゃん」と人懐っこく擦り寄って来る奏多が可愛くて仕方がない様子だった。

「お爺ちゃん…また来るね…」

「時間も遅いし、泊って行けばいいだろ?加那斗」

大きな邸宅に一人。
使用人たちと暮らしているが、家族と呼べる者は居ない。

父は孫の奏多ともう少し一緒に居たいようだ。

「お爺ちゃん…僕、明日…保育園あるから…おとまりはできない」

返事に困っていた俺と七海の代わりに奏多が父を嗜める。

「そっか・・・それはわるかった・・・奏多君…じゃまた…今度あそびにきてくれ」


「うん。じゃバイバイ…お爺ちゃん」

「遅い時間まで、どうもすいませんでした」

「…七海さん・・・君には本当にはすまないコトをした・・・」

「いえ・・・会長」

「・・・今は会長じゃないぞ…お義父さんだ…七海」
と俺が七海の言い間違いを直した。

「・・・お義父さん…お邪魔しました」

「また、三人で来てくれ」

父はエントランスの外に出て、俺達を見送った。

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