溺愛ウエディング~最後の夜に授かった赤ちゃんは社長の子、もう二度離さない~
_________
_____

しかし、幸せな時間はあっという間に過ぎて行った。

「皆さん、大変お世話になりました…」

今日が秘書として仕事をする最後の日。

秘書課の人達に別れの挨拶をした。

―――皆、私が退職する理由には触れなかった。

加那斗さんとは秘密裡で交際して来たと言うのに、周りは私達の仲を知っていたんだと思うと複雑だった。

「今まで、ありがとう…笹倉さん」

加那斗さんは私に花束をプレゼントした。

美しく咲き誇った赤い薔薇の花束。

赤い薔薇の花束は本数によって花言葉が変わるコトで有名。

二十五本の赤い薔薇の花束の花言葉は『貴方の幸せを祈っています』

自分は私を幸せにすることが出来なかったけど、誰かと幸せになってくれ。

そんな意味だろう。

「ありがとう御座います。社長」

「俺の方こそ…ありがとう…笹倉さん」

< 59 / 136 >

この作品をシェア

pagetop