陰キャの渡瀬くんは私だけに甘く咬みつく
「……あー、うん。私の助言が必要なことではなさそうだね」

 またもや生ぬるい眼差し。

 あたしの反応ですべてを察してくれたらしい。


 言葉で説明しなくていいから察してくれるのはありがたいけれど、それだけ理解されてしまっていることがまた恥ずかしい。

 おじさんとおばさんはお日様みたいにホワホワ微笑んでいるし……。


 何でこういうときだけ陽呂くんとおじさんおばさんはおんなじ顔で微笑んでるんだろう。

 やっぱり親子なんだなぁって思う瞬間だけど、大抵あたしが恥ずかしい思いをしているからすごく困る。


「とにかく、すぐに出てくるのがそっちのことなら特に大きな変化はなさそうだね」


 そっちってどっちですかー!?


 突っ込んで聞きたいけど聞きたくない。

 そんな思いで心の中でだけ突っ込んだ。


 その後は世間話に近い近況報告をしていく。


 吸血するに当たって異常や問題がないか。

 学校での様子はどうか。

 家庭での様子に変わったことはないか。


 そんな話を聞いているうちに、あたしの羞恥心(しゅうちしん)も落ち着いて来る。

 出されていた飲み物に手をつけれるくらい平静を取り戻した頃、おばさんが「そういえば」と学校行事について話し出した。
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