陰キャの渡瀬くんは私だけに甘く咬みつく
 だから、これくらい近くないと見えないっていうのも本当なんだけど……。


 でも、やっぱり恥ずかしいんだもん。


「あんまり見ないで……」

「何で? 可愛いのに」

「何でそんなに甘いの? 昼間と全然違う」

 そう聞くと、彼の綺麗な顔が渋くなる。


「学校とかマジダルいし。別にオンライン授業とかで良くね?」

「まあ、ダルいのは分からなくもないけど……」

「そう思ってもガマンして行ってんのにさ、人付き合いとかウザイ」

「陽呂くん……」


 こういうこと言うから陰キャだって言われるんだよ。


「美夜と二人だけの教室だったら行ってもいいけど」

「それは、流石に無理でしょ……」

 あまりの極論に呆れてしまう。

 でも同時に、あたしと二人だけならいいと言われたことにちょっと喜んでる自分がいた。


「なあ、美夜?」

「ん?」

「俺、美夜が欲しいんだけど?」

「っ!」

 あたしはもう少しこのなんでもない会話を楽しみたかったところもあるんだけれど、陽呂くんは我慢が出来なかったみたい。

 熱っぽい視線を送られた。


 でも一つ言いたい。

「い、言い方! あたしの『血が』欲しい、でしょ?」
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