GET BACK TOGETHER
「店員さんにおしぼり、もらって来ようか?それで顔を冷やす?」

心配そうに顔を覗かれるとドキッと鼓動が跳ね、私はそれを誤魔化すように口を開いた。

「あ、じゃあ……」

「ちょっと待ってて。その間に考えといて」

大知さんは優しく微笑みながらそう言うと、私に背中を向けて来た道を戻っていった。


考えといてって……

彼氏のこと!?

保留にしてくれたかと思ったら、ぶり返されてる!


でも考えといてと言われても、私の答えは決まっている。

戻ってきたら、答えを求められるのだろうか……。

同じ職場だし、いつも顔を合わしている人。

断るのも辛いな……。


鏡を見ながら考えていたら、鏡の中のトイレがふと目に入った。


ずっとトイレに入ってたら、諦めて部屋に戻ってくれるかもしれない……。


私は二つあったうちの一つのトイレのドアノブを捻ると中に入ろうとした。


トンッ。


「え?」
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