GET BACK TOGETHER
空しくなったせいかもしれない。

だって身体が満たされても、心は一ミリも満たされない。


俺だけが好きだからかもしれない。

絵麻には婚約者がいるから。


俺はあの捨てられた日から、選ばれるはずがなかったから。


どれだけ抱いても手に入らない存在だって思い知らされただけだった。


少し泣いて落ち着いた後、ベッドの下に落ちていた絵麻のドレスをハンガーにかけ、下着を綺麗に畳んでパウダールームに置いた。

俺は服を着て、椅子の背を絵麻に向けて置いて、顔と手を背凭れの上に乗せて座り、絵麻の寝顔を眺めることにした。

眠る気になんてなれなかった。

最後の絵麻の姿を目に焼き付けておこうと思ったから。

静かな部屋。

少しずつ柔らかい日差しがカーテンの隙間から入り込んでくる。

俺はずっと同じ体勢のまま。


どれくらい経ったかはわからない。

絵麻の目がぴくりと動いた。


「ん……」


タイムリミットだ。
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