GET BACK TOGETHER
「おはよ」

俺が声を掛けると昨夜のことを思い出したのか絵麻はシーツを頭まで被った。

「今、丁度起こそうとしたところ」

俺は立ち上がって入り口へ向かおうとする。

「私、いつの間にか寝ちゃったんだ……」

シーツ越しに聞こえた声に、このまま帰ろうと思ったのにもう一度だけ顔が見たくなってしまった。

これで終わりにする。

「激しすぎた?」

振り返るが絵麻の顔は見えず、シーツだけが見えた。

女々しくするなってことか……。

「俺、用があるから帰らなきゃ。先に帰るよ。まだチェックアウトまで時間あるから絵麻はゆっくりして?」

「携帯教えて……!」

踵を返すと背中に飛んできた声に俺は目を見開くしかない。

訊かれるとは思わなかった。

これっきりだと思った。

だって絵麻には婚約者がいるから、絵麻にとっては一夜限りの遊びだと。

振り返ると、絵麻は昨日あれだけ恥ずかしいことをしたのにシーツで身体を恥ずかしそうに隠していた。
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