GET BACK TOGETHER
もし、絵麻があのプレゼントを渡してくれたら、気持ちを伝えよう。

彼女なんかいなくて、絵麻がずっと忘れられないって。


そんなことを考えていたら、自分に可笑しくなってきた。

俺ってこんな臆病だったかなって……。


あの頃は怖いものなんてなかった。

無邪気に好きだと伝えて、手を握っていたのに……。


でも今は不安しかない。

不安が俺を臆病にさせたようだ。


エレベーターに乗り込むと一階のビュッフェのレストランに入った。


「絵麻はオレンジジュース?」

「うん。光輝は紅茶?」

「当たり」

絵麻が俺の好きな飲み物を覚えていてくれて嬉しくなる。
俺って女みたいだな。


「絵麻はクロワッサン一個だけ?足りる?」

絵麻は大きなお皿にはクロワッサン一個だけ。

「うん。でもサラダ食べたよ」

野菜だけかよ。

「ダメ、少なすぎる。だから絵麻は細すぎるんだよ。もっと食べて」

絵麻のお皿に自分のお皿に乗っていたウィンナーとオムレツを強引に乗せた。

「えっ!光輝のが無くなっちゃう!」

焦る絵麻にプッと笑いが出た。

「ビュッフェなんだから無くなんないよ。ホラ、沢山食べて」
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