GET BACK TOGETHER
「何でもない」

そう返して自分を落ち着かせるように息を吐いた。


あの居酒屋ではバレろなんて思っていたけれど今は思わない。

俺だって前に進みたいから。


俺は絵麻へと向かっていく。


「こんばんは。よく会いますね」

二人の前に辿り着くと俺はあの男の目を見て笑顔で挨拶をした。


「こんばんは」

男は笑顔だが目は笑っていない。


「こんばんは……」

絵麻は仕方なさそうに俺に顔を向けて挨拶した。

久々に見る絵麻は顔色が悪そうだった。

それは俺が今この場に現れて怯えているせいかもしれないけれど。


「彼女?」

男が俺の隣にいる雪那を見ながら訊いてきた。


「はい」

どう答えようか迷ったけれど、男が俺と絵麻の関係を疑っているから嘘をついた。
男を安心させるために。
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