GET BACK TOGETHER
「じゃあ行きましょう、ダイチさん……」

絵麻は弱々しい声で言った。

そうだよね、バレないように早く俺から逃げたいよね。

「あぁ」

男は返事を返すと絵麻の背中に手を添えた。

二人は人混みの中に消えていった。


「光輝の不調の原因、あの子でしょ」

雪那が呆れた声で言った。

「……ごめん」

ホント、雪那には迷惑掛けたと思う。

でも絵麻もこれに懲りて俺に会おうなんて思わないだろう。
俺もこれで雪那に迷惑を掛けることも無くなるから。

「あの子、可愛い顔して悪女なの?彼氏いるのに光輝にも手出してたの?昔、別れて正解じゃん」

「……」

「あーゆー子が意外に遊んでたりするよ。男を道具にしか思ってないのよ」

「……アイツのこと、悪く言わないで」

「光輝、でも!」

「でももう終わらせたから」


もうこれで絵麻に会うことも無い。

苦しめられることも無い。


だからもう誰も絵麻のことには触れないで。
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