GET BACK TOGETHER
私は歩道橋を急いで駆け下りると、タクシーを探しながら必死に走る。

光輝……光輝……!

だが足が縺れて見事に転けてしまった。

手のひらを擦り剥いて血が滲む。

それでも私はもう一度立ち上がる。

息も胸も運動不足のせいで苦しい。

でも光輝にはもっと辛い想いをさせていた。

私、今まで光輝のためにこんなに必死になったことがなかった。

いつも光輝からしてくれるのを待っていただけ。

いつも光輝が私を迎えに来てくれるのが当たり前だと思っていたのかもしれない。

そのくせ、光輝に確かめることもせず簡単に逃げた。

光輝が苦しんでいることも知らずに……。

私は自分のことしか考えていない、理不尽な人間だった。

だから今度は私が頑張らなきゃいけない。

私はやっとタクシーを見つけて飛び乗った。


「す、すいませんっ!救急車が、運ばれる、此所から、一番近い病院に、向かって下さい!」

私は息を切らせながら必死に伝えた。


タクシーの運転手さんから教えてもらって一番近くの病院の緊急外来へ。


「高遠光輝が運ばれてないですか!?」

受付の看護婦さんに訊くと光輝は運ばれていた。
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