きみは溶けて、ここにいて【完】
森田君は、どうやって影君と仲良くするかは、私と影君に任せると言っていたけれど、私たちは、しばらく、ただ手紙のやりとりだけを続けているだけだった。
それで自分の任務が果たせているのなら、もうそれだけでいいと思っていた。
朝、自分の下駄箱に入っている手紙を確認して、次の日の夕方か、二日後の夕方に森田君の下駄箱へこっそりと入れる。
この瞬間だけは、毎回、とても緊張する。
誰かに見られていませんように。影君に失礼のない手紙でありますように。それからほんの少しだけでも、面白い内容になっていたらいいけれど。
そんなことを願いながら、正方形の薄暗い下駄箱の中に封筒を置く。
毎度受け取るのは森田君であるから、森田君はウンザリしてはいないだろうか。
そのことだけが気がかりであったけれど、そもそも“もう一人の俺”―影君と、仲良くなってほしいと言ったのは森田君であるので、仕方がないと思うことにした。