敏腕CEOは執愛で契約妻の初めてを暴きたい
リビングに向かうと、仁くんは通話中だった。仕事の電話のようだ。

ミネラルウォーターを飲みながら待ってみたけれど、すぐには終わりそうもない。

私は身振り手振りで「もう寝るね」と合図し、先に二階に上がった。

キングサイズのベッドを置いても余裕のある寝室は、ベッド周りを間接照明が優しく包み、ロマンチックな雰囲気を醸し出している。

ベッドはふたつ並べようと言った私に、絶対にひとつだと主張したのは仁くんだった。

仁くんと一緒に寝るなんていつぶりだろう。たぶん小学校低学年以来だ。当時はお互いの実家でお風呂も共にしていたから、仁くんの体は何度も目にしたし、私も何度も見られた。裸を見たってなんとも思わないくらいだから、寝具がひとつでも気にしない。

私はベッドに寝転び、左手を真上に掲げた。

薬指には今日チャペルで仁くんに嵌められた、彼とペアの結婚指輪が光っている。

本当に仁くんと結婚してしまった。

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