敏腕CEOは執愛で契約妻の初めてを暴きたい
「映画館だな」

仁くんにぽんと頭を撫でられる。

単純な私はデートの約束をしただけで、なんだか本当に恋愛をしている気分になってきた。

明日が楽しみでわくわくしてくる。


翌日、朝からおめかしをした。

私は半袖で開き襟のシャツワンピースを、仁くんは涼しげなサマージャケットに細身のパンツを合わせた。

普段はかちっとしたスーツ姿の仁くんだけど、今日はきれいめなカジュアルスタイルだ。仁くんはスタイルがいいからなんでもよく似合う。

着ているのは誰もが知っている高級ブランドのものだが、たとえそうでなくても彼が纏えば上質に見えるだろう。

市街地にある大型複合施設には、映画館のほかにショッピングモールやレストランモールが入っている。日曜日なので家族連れやカップルで賑わっていた。

「なに観ようか?」

映画館に入ると、私は上映スケジュールの案内を眺めながら仁くんに尋ねた。

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