敏腕CEOは執愛で契約妻の初めてを暴きたい
「二個は余裕でいけちゃいますよ」

咲和さんの言葉に、私はオリジナルとキャラメルピーカンの二種類をオーダーした。

ガラス張りの店内のイートインスペースでいただく。

どちらも濃厚だけど甘すぎず食べやすかった。

「おいしいー。仁くん、甘いものが苦手なので、咲和さんと来られてよかったです」

なにげなく仁くんの話になった。

「クールな社長とスイーツって違和感がありますものね」

「私がクレープ好きなのでたまに付き合ってくれるんですが、このお店は甘くないものがなさそうだし、仁くんは無理そうだなって」

先日、友人同士の食事会でケーキを食べさせたばかりだし、さすがに続けざまはかわいそうだ。

「おふたりの馴れ初めをお聞きしてもいいですか?」

不意に咲和さんに興味津々で問いかけられた。

「あ……私たちは親同士が友人の幼なじみで、その流れでっいうか」

もごもごと言葉を濁らせる。

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