お飾りにしか⋅⋅⋅なれない

門田家との顔合わせが行われた。

門田不動産の会長は、
厳しい顔に、人を見下しているような
感じが滲みでている人

息子は、
女好きそうな軽い感じの人だ。

私の事を下から上へと
値踏みをして見ている。

私をコンサート会場で
見かけたらしく
息子から、たっての依頼だと
話された。

父と母は、何度も、
「娘を宜しくお願い致します。」
と、頭を下げていた。

門田家に嫁ぐのは、
来週となった。

結婚式は、せずに
門田不動産のパーティーで
御披露目となる。
その時、立花の両親も出席をする。

「お嬢様、本当にあのような男の
元へ嫁がれるのですか?」
と、心配顔で言う史織に。
「お父様やお母様のお役に
たつなら。
だけど史織、ごめんなさい。
あなたに一緒にいて欲しくて。」
「お嬢様。史織はお嬢様と
ずっと、一緒ですよ。」
と、言ってくれる史織には
本当に感謝しかない。

演奏会以外は、いつも私のそばに
いてくれる史織。
史織が門田に行くことに
会長は、難をしめしたが
息子が
「良いでは、ないですか?」
と、言ったのだ。

父も母も、その事で
ほっとしていた。
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