お飾りにしか⋅⋅⋅なれない

  妊娠の⋅⋅⋅⋅⋅⋅おかげ⋅⋅⋅⋅⋅?⋅⋅⋅⋅⋅⋅

     ....か......

御披露目パーティーは、なくなった。
いや、延期となった。


妊娠をしていない
私を考慮してとの事だ。
世間を欺く

回りの方々や立花の両親には
連絡がされた、と。

母は、心配して
「実家に帰して下さい。」
と、お願いしたらしいが
「心配いりません。
門田家で、ゆったり、寛いで
頂いておりますから。」
と、お義母に言われて
引くしかなかった、と。

史織は、
「お嬢様、旦那様や奥様に
お話し、しましょう。
こんなこと、断じてあっては行けません。」
「史織、ありがとう。
でも、立花の為です。
陽大さんも人の子です。
親から引き離す事は
懸命ではないとわかるはず。」
と、私は、そう考えていた。

だが、メイドの一花さんは、
門田の家でひっそりと
出産をした。

子供は、男の子で
陽一(よういち)と名付けられた。

陽一君は、陽大の言う通り
陽大と紗雪の子として
届けを勝手に出された。

嫌だと言っても
きいてもらえることはなく

そのかわり
私の拒絶にうるさく思ったのか
一花さんの訴えかわからないが
私と史織は、離れの部屋追いやられた。

離れといっても
古く、汚く
異臭も鼻につく

部屋は、二つだくな
一つは、私
もう一つに史織へ

後、トイレとお風呂
どこも汚く
史織と何日もかけて掃除をした。

お風呂は、沸かさないと行けないが
庭師のおじさんが
薪を運んでくれた。

台所は、本宅しかなくて
逆らったからか
1日、二食だけ
その上、少量のみ。

史織は、外に出る度に
二人分の食べ物を購入するが
紗雪は、食べる事はなかった。

本宅の紗雪と陽大の部屋に
一花さんと陽大と陽一君が
暮らしている。

門田の両親も
一花さんに文句を言っていたが
陽一君を跡継ぎと決め
家族のように過ごしている。

私は、当然、離婚のお願いを
何度もした⋅⋅⋅⋅⋅⋅が⋅⋅⋅⋅

体裁が悪い⋅⋅⋅⋅⋅
立花を潰す⋅⋅⋅⋅⋅⋅と
脅される。

陽一君が生まれてからも
パーティーだけは、
人の目があると
ドレスをきて陽大と
出席しなくてはならない。

苦痛でしかなかった。

だが⋅⋅⋅⋅⋅紗雪は⋅⋅⋅⋅⋅⋅
立花の両親の為に
立花デパートの従業員や
その家族の為に
歯を食い縛り
我慢するしか⋅⋅⋅⋅⋅なかった⋅⋅⋅⋅⋅

史織は、
門田家の紗雪様の扱いに苛立つ

紗雪様は、とても美しい方なのに
どんどん、痩せてしまわれている。

その上
メイドの一花さんは、
陽大様や旦那様、奥様がいなくなると
わざわざ、離れに来て
「陽大にも相手にされないくせに
いつまで、ここにいるの?
顔だけで、置いてもらっている身分で。」
と、言い
「あんたね。メイドの癖に
お嬢様に向かって⋅⋅⋅
と、言い返す史織を紗雪は手で制止
「そう、思われるなら
あなたから、陽大さんに
言ってください。」
「なっ、なによ
門田から、恩恵を受けて
成り立っているデパートの娘風情が。
あなたさえ、居なくなれば
私が、真実ともに
陽大の妻になれるのよ!!」
と、叫ぶと« バーン »
と、戸を閉めて出て行く。

この下りは、毎日行われる。

紗雪様は、何も望まれていない
ただ、立花に帰りたい。
だが、立花を護れるのは
自分だけだと
我慢されている。

大好きなバイオリンもピアノも
門田家の奥様に
うるさい、耳にさわると
言われて奏でる事もできない。

どうして、こんなひどい事が
出来るのかと史織は、
思わずにはいられなかった。
< 6 / 54 >

この作品をシェア

pagetop