君の言葉で話したい。
「怖かったの。」
蒼太を傷つけて、
紫涵と疎遠になった。

鈴は小さく震えた。
「たくさんの人を、傷つけた。」
思い出すだけで、
胸が張り裂けるような思いがする。
今でも罪悪感からか、
夢でうなされることがある。
蒼太の辛さを隠した笑顔、
紫涵の絶望した顔が、
フラッシュバックする。

鈴を踏みとどまらせるには、
充分だった。
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