俺がお前を夢の舞台へ
本当にここで生きているのか。


どんな気持ちでここにいるのか。


私には分からない。


蒼空の痛み、苦しみ、叫びは……私には何も分からない。


分からなかった。


今、何から話したらいいのかも、分からなかった。


無言の時が流れていく。


蒼空は、真っ白な天井を見上げたまま。


蒼空は…あの天井に何を描いているんだろう。


「「あのさ」」


沈黙を破るタイミングが重なる。


バチっと目が合うと、蒼空は目を細めて笑ってくれた。


「久々にハモったな」


「ね。ホント、久しぶりだね…っ」


蒼空が笑ってる。


それだけで涙が出るほど嬉しい。


「……彩絢の泣き顔、もう見たくねぇよ…」
< 294 / 434 >

この作品をシェア

pagetop