俺がお前を夢の舞台へ
タローの力強い言葉と、皆の力強い頷き。


間違いなくチームは1つになっている。


「もう皆気づいてると思うけど、勇翔はこれ以上投げられない。6点じゃダメだ。7点だ。全員で勝ち取りに行くぞ!」


「「おう!!」」


いける。


まだやれる。


このチームなら大丈夫。


気合いを感じるタローの打席。


桜森は、完璧なピッチングをしていた菅野くんを下げ、別のピッチャーがマウンドに上がっている。


「タロー!!頑張れー!!」


誰もがベンチから身を乗り出して応援している。


誰一人甲子園を諦めていない。


―カキーーンッッ


「やった!!!」


初球を捉えたタローの打球が、ライト方向にぐんぐん伸びていく。


フェンス直撃の長打となり、タローは2塁ベースへ全力疾走。


2塁ベースを踏む前に、ライトがボールの処理を誤りモタモタしている。


「3塁3塁!!回れ!!」
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