俺がお前を夢の舞台へ
「お父さんは蒼空くんの練習に付き合ってるから」


「えぇ…もう。別にいいけど」


私より蒼空優先か、と文句を言いたいところだけど、お使いくらいいっか。


「じゃ、行ってくるね」


「助かる~。いってらっしゃーい」


コンビニまでは歩いて5分くらいかかる。


街頭も少ないし、夜一人で歩くには少し怖い。


寒さと警戒心が相まって、早足でコンビニまで突き進む。


以前、夜コンビニに行ったときに声をかけられたことがある。


それも同じ人に何度か。


コンビニ付近でしか遭遇しないから、ホントにただの偶然なんだろうけど、いい気分はしない。


暗がりの中に、ひときわ明るい建物が見えると安心する。


コンビニまでもう少し。


今日は一段と寒いし、早く中に入って暖まろう。


そう思い速度を上げようとしたとき。
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