隣の不器用王子のご飯係はじめました



だけどやっぱり感じ悪いだろうな。とりあえずメールだけでもしておこうかな……。


アパートに帰った私は、そう思ってスマホを取り出しメールを送ると、気分を変えようとキッチンに立った。




……そして私の様子がおかしいということは、遠坂くんにも気づかれていたらしい。



「小野山さん、何かあった?」



いつも通り、遠坂くんとレナさんの三人で食卓を囲んでいた時にそう聞かれた。



「え?何でもないよ!どうして?」

「いや、ちょっと元気なさげだし、……ていうか何より……作りすぎじゃない?」



そう言って遠坂くんが視線を落としたちゃぶ台の上には、とても三人で食べきれるようには思えない量の料理が所狭しと並んでいた。

しかもメニューが、パスタにチャーハンにお好み焼きというように、統一感がない上に炭水化物だらけとなっている。

考え事をしながら料理をしていると、つい作りすぎてしまうという癖が見抜かれたみたいだ。



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