隣の不器用王子のご飯係はじめました



レナさんが、先ほど遠坂くんが散らばした紙を丁寧に拾い上げてそろえ、私に渡そうとする。



「これねぇ、次の雑誌に載せる読み切りなんだ!あたしはありりんの感想も聞きたいなあ」

「姉さん!そろそろ本気で怒るから」

「ひろはさっきから怒ってるじゃん!ていうかぁ、この漫画が載る雑誌、どうせありりん買うと思うよ?」

「っ……今からでも取り下げろ」

「やーだー。担当さんも褒めてくれたもん」

「……」



遠坂くんは顔を赤くしたまま、レナさんが持っている分の紙も静かに奪い取った。









──時は、実家に帰っていた小野山さんが、姉さんの部屋にやってくる二十分ほど前にさかのぼる。


電気代節約のために、あまりエアコンの効きが良いとは言えない室内で、俺は時折汗をぬぐいながら作業を手伝っていた。




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