隣の不器用王子のご飯係はじめました
「ひろー、ありりんがいなくてやる気出ないのはわかるけど、もうちょいちゃんと手動かして~」
「動かしてる。あと一度冷房の温度下げてくれたらもっと頑張る」
「えぇ、ちゃんと29度にしてるよ!じゅーぶんでしょ」
家主は姉なのであまり強くは言えない。
俺は大きくため息をついて机に突っ伏す。
夜も暑くて最近はしっかり眠れておらず、眠気も襲ってきた。
「もー、あとちょっとで修羅場脱出☆なのに」
「わかってる」
「うーん……あ、そうだ!ねえ、ひろこれ読んで!読んだらすっごいやる気出ると思うよ!」
「なに……?」
姉さんは机の上にバサッと紙の束を置いた。
完成している漫画。確かに姉さんの絵だが、描かれているのは見覚えのないキャラクターだ。
「何これ。俺手伝った覚えないけど」
「うふふ、お姉ちゃん頑張って一人で描き上げましたー。次号に載る読み切りでーす。もう提出済み」
「……珍しく仕事が早い」