片翼を君にあげる②
「何故、俺なんだ?」
《ん?》
「何故、俺を選んだんだ?」
そう問い掛けると、天使は座ったまま脚を組み替えて答える。
《さっきも言ったように、私が入れる……。つまり、私の能力を100%出すには特別な器が必要なんだ。
君達が俗に言う天使の一族には、みんなそれぞれ持って生まれた基盤があって……。まあ、人によって、どんな能力をどれだけ扱えるかの資質や素質が違っているんだ》
「……つまり、俺がある能力を持っていても、別の人はその能力を習得出来ない可能性があって……。例え習得出来ても、俺が最大限に使えたとしても、別の人は半分位の威力しか使えない、って事か?」
俺の言葉に、天使は笑顔になり拍手した。
《その通り!いや〜話が早くて助かる。
そう、能力を欲している、と言う点だけを見れば、そこに倒れてるシャルマって奴でも良かったんだけどね。ただ、使える能力には限りがある。
シャルマは誰よりも能力を欲した意地と根性と努力で、能力の威力を最大限に使えていた。けど、元々の資質や素質の基準値が低いから使える能力《ちから》はかなり少ない。
……その点、君は満点だ》
「!っ……」
《私を取り込んでも壊れない。尚且つ、全ての能力を最大限に出せる器の持ち主なんだ》
天使は褒めるようにそう言ったが、俺の中ではモヤモヤが生まれてくるばかりだった。
《さて、ここで問題です。
どうして君は、そこまで優れた器を持って生まれてきたのでしょうか?》
「っ、なに……?」
気乗りしない様子の俺を察したのだろう。
気分を変えようという作戦なのか、天使は突然クイズ形式に変えて話をしてくる。
《一般的に能力の弱い、強い。またどれだけ能力を使えるか、は天使に近いか、人間に近いか、で決まるんだ。
普通ならば代を重ねるにつれて天使の血は薄くなって、人間の血が濃くなって能力は落ちる。
稀に突然変異で優れた能力の持ち主もいたけど、それは本当に稀だ》
「……」
《では、天使の血を持ちながら人間に近くなってしまった代から、再び天使の血が濃い者を作る為には、どうすればいいと思う》
「!……っ」
天使の問い掛けに、俺はすぐにピンッときた。
でも、その答えが何だか"悪い事"のような気がして、口にする事が出来ない。
すると、俺の心を読んだ天使が言った。