エリート放射線技師は、ウブな彼女をたっぷりの溺愛で甘やかす。
「香澄さん、あの――」
千晃さんが何か言いかけたとき、スクラブのポケットに入っている院内用スマホが鳴った。
「ごめん――はい、小鳥遊です」
呼ばれたのかな、と思い私は帰る準備を始める。
「香澄さん、ごめん。呼ばれちゃって……また、会う日決めよう!」
「はい、大丈夫です。早く行ってください!」
「ありがとう! じゃ、また連絡する!」
そう言ってレストランの中から去っていった。私は、残っているミルクティーをストローで混ぜながら飲んだ。
「七瀬さん、ですよね……?」
「……へ?」
前から話しかけてきたのは、白衣を着たダンディーな男性だった。
「以前もお会いしたことあるんですが、私放射線科で部長をしています新本と申します」
新本さんは、名刺を取り出し私に差し出した。
「頂戴します」
【放射線科部長/放射線技師 新本和尚】
名刺にはそう書かれていて、千晃さんの上司なんだと分かった。