エリート放射線技師は、ウブな彼女をたっぷりの溺愛で甘やかす。
◇言葉だけじゃ、伝えるなんてできない。


「本当ありがとうございます、菅沼先生」

「いいのよ〜」


 翌朝。

 朝食を一人で食べ終わって買い物に行こうと思い着替えていた時にタイミングよく菅沼先生から『えびを沢山もらったんだけど使わないかしら』と連絡をもらった。

 そして今、菅沼先生にエビを受け取ったところだ。


「こっちこそもらってくれて助かったわ。旦那がねもらってきたんだけど食べきれなくてね」

「そうなんですね、あ、お茶でも飲んでいかれます?」

「ううん。婚約者さんがいない時にお邪魔するのはやめておくわ、また次の機会に」

「そうですね、またお茶誘ってくださいね!」


 私がそう言うと先生は「えぇ」と微笑み帰っていった。エビを見ると大きくて立派なエビがいて思わず笑ってしまった。


「よーし、作るぞ〜」


 手を洗い、まずは海老の殻を剥いて背ワタを包丁を使って取り出して一つ一つボールへと入れるとそこに片栗粉と塩を入れて揉む。これで汚れと臭みを消す。


「水で洗ってー水気を切る、っと……キッチンペーパー、あった」


 尾先と尾の中央の尖っている部分を斜めに切り落として包丁でしごいて中の水を出す。

 確かこれをしないと揚げる時に油ハネの原因になっちゃうんだよねー



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