西岡三兄弟の異常な執着

少し早足でキッチンに戻り、作った食事を温めてテーブルにセッティングする。

既に黄河はテーブルに座っていて、新聞を読んでいた。
スーツ姿に着替えているが、ジャケットは椅子の背にかけられネクタイも緩くしていてシャツのボタンも第二ボタンまで外されていた。
その為、胸の刺青が見える。
つい、水樹達はそこに目が行ってしまう。

｢何か言いたいことがあるなら、はっきり言え！｣
突如黄河が新聞に目を向けたまま、水樹達に言った。
｢あ、いえ…｣
｢どうされました？ご主人様｣
｢コイツ等がじろじろ見るから、気色が悪い！！！｣
｢は？何ですか？
ご主人様を見てる暇があるなら、手伝ってもいいんですよ？今日は全て僕がするとは言いましたが、手伝うなとは一言も言ってません｣
｢は、はい！すみません！！｣
水樹達は一斉に動き出した。

｢ちょっと待てよ！！まだ聞いてない！
俺を見てた理由｣
｢刺青が見えたので、つい……｣
意をけっして、水樹が黄河に言った。

｢は？｣
｢カッターシャツから少し見えたので、気になって……すみません！！｣
｢あー、で？｣
｢え…？｣
｢俺が刺青彫ってたら、ダメなの？｣
｢いえ！そのようなことは……｣
｢見たいの？俺の身体｣
｢いえ////！！｣
顔を赤くする、水樹。

黄河がガタンを椅子を引く音をさせ立ち上がり、水樹に詰め寄った。
｢え…////あの…ご主人様…/////？｣
黄河の顔が目の前まで近づき、更に顔が赤くなる。
黄河がフッと笑った。
フワッと香る、黄河の爽やかな香水の香りと綺麗な顔。
水樹は、耳まで真っ赤にしドキドキしていた。

｢お前…バカ？｣