西岡三兄弟の異常な執着
「ちょっ…真白くん!?なんてこと…!」

「違うの持ってきて」
慌てて片付ける水樹達を尻目に足を組み、違う料理を持ってくるよう指示する真白。
「は、はい!」
そして次に持ってきた料理も同じように払い落とし、違う料理を持ってくるよう指示した。

「真白くん!さすがにこんなのダメだよ!
皆さん、一生懸命作ってくれたのに!」
「は?使用人は、俺の思うようにしなきゃダメなの!
なんで我慢しなきゃいけないの?」
「だからって、払い落とすことはないでしょ?」
花苗が悲しそうに真白に訴える。

「うるさい!!俺に意見しないで!!」
花苗を睨みつけ、言い放つ真白。

「真白くん……」
ビクッと震えた花苗の目が、更に悲しそうに揺れた。
しかしさすがにこの真白の言動は、黄河と朱雀を怒らせることになった。
「真白!!いい加減にしろ!?
お前、ワガママが過ぎるぞ!」
「真白!花苗に当たらないで!!
いくらなんでも、僕も黙っていられないよ!」

「何がそんなに、気に入らない?
それに花苗に当たるのは、間違ってるぞ!」

「あ…兄ちゃん……ごめん…
苗も…ごめん」
黄河と朱雀に諭され、そこでやっと落ち着いたのだった。

二階リビング━━━━━
「真白くん、どうしたの?
今日、ずっと変だよ?機嫌が悪いし…」
落ち着きを取り戻した真白に、花苗が問いかけた。

「杉尾が、俺の兄ちゃん達を取ろうとしてる」

「え?杉尾さん?」
「うん。黄兄ちゃんと朱兄ちゃん、騙されてるよ!
朱兄ちゃん、苗がいるんだから苗以外の女なんか信用すんなよ!
黄兄ちゃんだって、苗以外の女は信用しないって言ってたじゃん!
俺は認めないからな!
兄ちゃん達を取ってくなら、迷いなく杉尾を消してやる!」
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