天才外科医と身ごもり盲愛婚~愛し子ごとこの手で抱きたい~
私の方こそ、自分の妊娠をこんなにも喜んでくれる、姉のような柿田さんの存在がうれしい。
妹のようにキャッキャとはしゃいで喜ぶ桃瀬さんも……やっぱり、私はふたりが大好きだ。
「ふたりとも、ありがとうございます。頑張って、元気な子どもを産みます」
正確に言えば〝子どもたち〟かもしれないが、双子だと明かすのはもう少し状態が安定してからにしたい。きっとまた、ふたりとも興奮するだろうな。
その時の光景を想像して頬を緩めつつ席に着き、私たちは三人そろって仕事に取り掛かるのだった。
そして、その夜。
会社から帰ってすぐ、私は思い切って勇悟に連絡しようと、自室でスマホを握りしめていた。履歴から勇悟の番号を選び、あとはもう、指一本の操作で彼に電話を掛けられる状態だ。
すぐに出てくれるだろうか。それとも、今夜は仕事?
ぐるぐる考えていると、メッセージの着信を知らせる短い着信音が鳴って、画面に通知が現れる。差出人は聡悟くんだった。
また、勇悟に関する嫌な知らせだったらどうしよう。
勇悟に電話をする前にそちらを確認しておきたいと、私は聡悟くんとのトーク画面を開く。