天才外科医と身ごもり盲愛婚~愛し子ごとこの手で抱きたい~
【勇悟が例のナースにフラれて自棄になっている。絢美に連絡してくるかもしれないが、相手にしてはいけないよ】
案の定、聡悟くんが送ってきたのは私にとってショックでしかない情報だった。しかし同時に、聡悟くんへの不信感が募る。
柿田さんや桃瀬さんに勇悟の悪い印象を吹き込んだのも、彼と女性看護師との噂を私に信じ込ませたのも、全部聡悟くん。
彼を疑いたくはないけれど、もしかして事実を捻じ曲げて周囲に伝えている……? でも、なんのために。
考えがまとまらず悩んでいると、手の中のスマホが再び音を立てる。
画面を見た私は瞬時にドキッとして、体が熱くなるのを感じた。表示されたのは勇悟の名前だった。
ずっと話したかったはずなのに、いざ彼から連絡がくると怖気づいてしまい、すぐに出ることができない。
高鳴る胸に手を置いて、一度深呼吸をする。そして、ようやく決心がつく。
「……はい」
おそるおそる返事をしたら、勇悟は一拍置いてから話しだした。
《絢美。今、話せるか?》
「うん」
《ずっと連絡もせずに、悪かったと思ってる。それで、その……聡悟に聞いたんだ。お腹の子どものこと》