天才外科医と身ごもり盲愛婚~愛し子ごとこの手で抱きたい~
絢美は聡悟にだって、なにか渡しているはずだ。同じように手作りしたものか、あるいはもっと特別な贈り物を。
それなのに、おまけのような存在である俺があまりにうれしそうな反応をしたから、絢美はおそらく気まずくなってしまったのだ。
四つも年下の女の子を困らせるとは、情けない。最近ずっと絢美を避けていたから、久々の対面で舞い上がっていたのかもしれない。
舞い上がって……って、どうして。
ひと月前も浮かんだある仮定が俺の頭の中をよぎり、俺は慌てて首を横に振る。
絢美は聡悟のことが好きなのだ。聡悟も絢美を大切にしている。俺なんかよりずっと。
そう自分を納得させようとすればするほど、胸はちりちりと焦げたような痛みを覚え、打ち消したはずの想いは紛れもなく本物なのだと、俺に告げていた。
それでも大学に入ってしまえば、勉強に実習にと多忙で、絢美のことを一時的に忘れることができた。
さらに、俺が目指す心臓血管外科医は、外科医の中でもとくに優れた知識と技術を必要とする。恋愛なんてしている暇はないのだ。