天才外科医と身ごもり盲愛婚~愛し子ごとこの手で抱きたい~
「少し、考えてもいいかな? ……だ、だって、急に言うんだもん」
漂い始めた色っぽい空気をかき消すように、私はからっと笑いながら勇悟を責めた。
単に結論を先延ばしにしただけだが、少しでも考える時間が欲しかった。
「ああ、悪い。昼間に言うことでもなかったな」
「そうそう、そうだよ」
照れくさそうに苦笑した勇悟にこちらの緊張も解け、この話はいったん終わりだと胸をなでおろした瞬間。
「でも俺、本気だから」
勇悟の凛とした声が胸にまっすぐ飛び込んできて、私は一瞬息をするのを忘れた。
おそるおそる見つめた先の彼は、まるで本気で私を愛おしく思っているかのように、瞳に甘い熱を湛えている。
ずるいよ……演技でそんな目をするなんて。
きゅ、と締めつけられるような痛みを覚えた胸を抱えつつ、私は頷く。
「わかった。私も、本気で考えるね」
「サンキュ。それでもし絢美が嫌だと思うなら、正直に断ってくれていいから」
「うん……」
そうしてまたふたりで歩きだし、いくつかアトラクションを巡った。
勇悟とふたりでいるのはやっぱり楽しくて、彼と結婚したら不幸せになるという桃瀬さんたちの見解は、私には当てはまらないんじゃないかと思えてくる。