天才外科医と身ごもり盲愛婚~愛し子ごとこの手で抱きたい~
勇悟はクスっと笑った後、なまめかしく目を細めて言った。
「わかりにくいおねだりだな。……いいよ、地上に近づくまで続けてやる」
自然と瞼を閉じた私の唇に、勇悟がさっきより強く唇を押しつける。一度離れたと思ったらまた重なって、食むような動きで私の唇を優しく吸い、蕩かしていく。
ちゅっ、ちゅっと、くっついては離れるキスの音が頭の芯まで響いて、怖くないどころか、ここが観覧車のゴンドラ内だってことを、忘れそうになる。
「地上まで、あとどれくらい……?」
目を開けても視界には勇悟しか映っていないので、キスの合間、息も切れ切れにそう尋ねる。
勇悟はちらりと窓の方を見やり、「まだまだ」と低い声で囁いて、また私の唇をふさぎ、その隙間から濡れた舌を差し込んだ。とろりとした感触の生き物が、縦横無尽に私の口内を動き回り、戸惑う私の舌を捕まえて、深く絡ませた。
「ん、んっ……」
恥ずかしいのに、鼻にかかった甘い声が漏れる。勇悟の吐息にも時折かすれた声が交じっていて、とても官能的だった。
ねえ、勇悟。あと何回キスを交わせば、〝なかったこと〟にしなくて済む……?
ますます激しさを増すキスの応酬に胸を熱くしながら、私は心の中で彼に問いかけた。